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ヴァリス・テッラ・ヴィオニエ【France,Vaucluse】VALLIS TERRA VIOGNIER 2016


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    名はヴァリス・テッラ、使われているブドウの品種はヴィオニエという。

    ワインの格付AOPではないため、正式にCôtes du Rhôneコート・デュ・ローニュ)を名乗ることはできないが、それでも南フランスの中でも有数のワイン生産地プロヴァンス州のヴォクリューズ県という名産地で造られた白ワインである。

    【ワインの格付け】という話が出てきたのでサラッと書いておくと、2018年現在フランスのワインの格付けは上からAOPIGPVin de Tableの三つ。単純に品質の高さではなく、産地や品種、生産法やテイスティングによる審査によって分類され、AOPになると、決められたかっちょ良い産地名等を名乗れる。南フランスのローヌ地方のAOCに認定されれば、Côtes du Rhôneを名乗れる、そういうこと。

 

    続いてブドウの品種【ヴィオニエ】について。ヴィオニエはローヌ地方を代表するブドウ品種なのだが、一時期絶滅寸前まで生産数が減少したようだ。

    ヴィオニエを使ったワインは、豊かな果実味のある香りと、まろやかな口当たりが特徴で、本製品でもそのポテンシャルは十分発揮してくれている。とくに、口の中で転がした時の香りは、たしかに桃っぽく甘い芳醇な香りが突き抜ける

    よくワイン通の方々は「アプリコット」とか「洋ナシ」の香りとおっしゃるが、僕の場合残念なことに、アップリケも用無しもどんな味でどんな香りなのかちんぷんかんぷんなので、よくわからない。たぶんだけど、桃、というよりかはあっぷあっぷかナッシーの方が香りが近いのだとは思う。

    香りの点ではややスパイシーな感じを感じないこともないのだが感じる。…いや、そもそもスパイシーってなんだっけ?と感じることだろう。

 

    ヴァリス・テッラを飲んで一番驚かされたのは、そのコクだ。特に一口目、第一印象だけは、飲んでいるのが赤ワインだと勘違いしてしまうほど、深みあるコクだった。個人的には白よりも赤が好きなので、どちらの良さも兼ね備えているという点ではオススメの一本である。

    余談だが、ローヌ地方のコンドリューでは、ヴィオニエのみを栽培しているらしいので、次はコンドリューのAOCも飲んでみたい。

 

    例によってグラスに注いだ後の写真を撮るのを忘れた。ワインを楽しむために見た目でわかる色や粘度をしっかりチェックするのは、ワイン通としては当然のこと。

    記憶を頼りにお伝えしておくと、やや濃いめの黄色だった。グラスを回して感じたのはサラッともトロッともしておらず、ちょうどよい中程度の粘度だったような気がする。透明度も高く、雑味も全くない良いワインだった。

 

    今回は、豚のヘレ肉やホワイトソースを用いた料理と一緒に食べてみたが、それほど相性は良くなかったそれもそのはず、裏ラベルの英文を見たところ、飲む前の自分の後頭部を瓶で殴りつけてやりたくなったので、同じような悲劇を生まないために紹介しておく。

ヴァリス・テッラは、ロブスター、カニ、程よいの風味の魚、White meet、スパイシーな料理にぴったりです。

    White meetがピンポイントに何を指すのかが不明だが、白身魚や淡泊な鶏肉などだろうか。

    飲み終えた今思うのは、たしかに個性的なうまみ成分を持つエビやカニ料理とのマリアージュは絶品だろう。またサルサなどの辛みが利いた料理とのマリアージュも良いに違いない。

    ちなみに【マリアージュ】とはフランス語で結婚を意味する言葉で、ワイン用語では【結婚】を意味する。エビさんとヴァリス・テッラの結婚。サルサさんとヴァリス・テッラが結婚するのだ。とても目出度いことだ。ウソである。ワインと料理の組み合わせ相性の良さと思っていればいい。肉には赤ワイン。魚は白ワイン、といったものが其れだ。

 

    最後にワイナリーについて少し調べてみたい。

    造り手はPierre Chavin(ピエール・シャヴィン)。このPierreは「石」を意味し、ヴォクリューズの石灰質の土壌と、本製品のエチケットにも描かれているような砂利や小石をイメージさせる。この石が、日中太陽の熱を吸収しブドウの生育を助けているとかいないとか。

    百貨店のソムリエさんに聞いたところによると、現地では本当に描かれているとおりの形の石がゴロゴロ畑に転がっているようだ。

 

総合指数:4.0

価格帯:2,000円未満

マリアージュ:鶏肉のホワイトソース煮込み、豚ヘレ肉のベーコン巻き、長芋のフリット、朝採り椎茸のバターソテー

 

    上ではオシャンティーに言ったが、ただのグラタンと、長芋のから揚げである。次は魚介系の料理と一緒に飲んでみたい。

では。